冤罪事件の中で、この事件を、考えると、日本の司法制度の馬鹿馬鹿しさがよく判ります。
もともと、警察が、菅家さんをマークとした理由が、
近所の人等の聞き込みにより、
「アダルトビデオを持っている」、
「子供を見る時の目つきが違う」という、証言から始まりました。
警察は、菅家さんを1年間も尾行や監視をしたが、菅家さんに、まったく、怪しいそぶりもなかった。
(尾行された1年の間、幼女に対する声かけなど、怪しい行為はいっさいなかったと、後に尾行した刑事が証言しています)。
しかし、91年に、菅家さんが捨てたゴミ(体液が付着していた)から
DNA鑑定を行い、これが犯人のものと一致したという理由で、逮捕。
その後の取り調べでも、他の物証は一切出ず、唯一の物証は、DNA鑑定しかなかった。
そして、菅家さんのDNAが、犯人と一致したという事で、有罪が決定。
その後、弁護側がおこなった、DNAの定では、犯人のものと一致しないという事で、
02年の宇都宮地裁への再審請求でも、新鑑定を証拠提出したが、検討されることはなかった訳です。
菅家さんの、要求は、ただ一つ、「DNAの再鑑定をしてほしい」ということだったのですが、
2008年の12月に、高裁が、DNAの再鑑定を決定するまで、宇都宮地裁は、ずっと再審請求を棄却し続けた訳です。
その後、最新のDNA再鑑定の結果により、菅家さんと犯人のDNAの型は全く一致しない事が判り、
6月4日に釈放という結果になった訳です。
アメリカでは最新のDNA鑑定の結果、約200件の再審無罪判決が出ているようです。
アメリカでも、冤罪は、たくさんあるわけですが、冤罪かもというケースでは、新しい鑑定法で、すぐに間違いを正している点は、日本と違う点でしょう。
宇都宮地裁は、体裁を保つ為に、再審請求を棄却し続けた罪は重いでしょうね。
裁判は、野球の審判と違う訳ですから、「間違えたかも」と思ったのなら、速やかに鑑定をやり直せばよいわけです。
なぜ、こんな簡単な事を、司法はできないのかと、つくづく思いますねえ。
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